肩こりの重症度チェック
ご自宅で簡単にできる肩こりの重症度チェックをご紹介します。
以下の手順で、「肘が上がる高さ」を確認し、その下にある表で判定します。
- 足を揃えて真っすぐ立ちます。
- 両腕を前方に突き出します。
- 両手を軽く握り、肘を90°に曲げ、左右の両肘同士をくっつけます。
- その形のまま、肩だけを動かして、肘をゆっくりと無理のない範囲で高く持ち上げます。
重症度 | 肘が上がる高さ |
---|---|
肩こりなし | 鼻より高く上がる |
軽度の肩こり | 口の高さまで上がる |
中等度の肩こり | 肩の高さまで上がる |
重度の肩こり | 肩の高さまで上がらない |
肩こりになる・治らない原因
肩こりが治りにくいのは、多くの場合、複数の原因が重なっているためです。
病気以外の主な原因についてご紹介します。
筋肉の疲労
ここで言う筋肉の疲労とは、スポーツや身体を使う労働などによる酷使ではなく、長時間のデスクワーク、不良姿勢などによるものです。
血流の低下により筋肉で酸素・栄養素が不足するとともに、疲労物質が溜まり、筋肉疲労および肩こりを引き起こします。
筋力・関節の可動域が低下
筋力の低下、可動域の低下は、筋肉の緊張と血流の低下を招き、肩こりの原因となります。背景には、加齢や運動不足などがあることが多くなります。
眼精疲労
眼精疲労とは、目の酷使によって目、そして全身に疲労感などの症状を伴う状態です。目の痛み・疲れ・充血・異物感・涙があふれる、全身疲労感・頭痛・めまい・吐き気・肩こり・腰痛といった症状が見られます。目の酷使による眼輪筋の緊張、デスクワーク・不良姿勢などによる血液やリンパ液の流れの悪化が背景にあります。
ストレス
ストレスは、自律神経のバランスを乱します。これにより血液やリンパ液の流れの悪化、代謝の低下が起こり、肩こりが引き起こされることがあります。
特にホルモンバランスの急激な変化を伴う月経・妊娠・出産・更年期のある女性は、男性よりも自律神経のバランスが乱れることが多いと言われています。
肩こりが治らない原因となる病気
原因を取り除いたのに肩こりが治らない、だんだんと悪化しているといった場合には、以下のような病気を疑います。
特に、肩こり以外の症状がある方は注意が必要です。
頚椎症
主に加齢、首への大きな負荷、不良姿勢などを原因として発症します。肩から腕、あるいは手や脚にかけての痛み・しびれなどの症状が見られます。進行すると、箸やペンを持つ・使う、歩くといった動作が難しくなるほど症状が強くなります。
頚椎椎間板ヘルニア
加齢、不良姿勢、ハードなスポーツなどを原因とする病気です。頚椎の椎間板が飛び出て、脊髄や神経根といった神経を圧迫することで、まず首の痛み・肩こり・手のしびれなどの症状が現れます。進行すると、手・腕の痛み、首の可動域の減少、筋力低下なども引き起こされます。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
加齢に伴う腱板の炎症を原因として、40~50代での発症が目立つ病気です。肩関節の動きづらさ、肩の痛みといった症状が見られます。夜中に痛みが強くなり、たびたび目を覚ましてしまう方もいらっしゃいます。
胸郭出口症候群
スポーツ、身体を使う仕事などによって鎖骨や第一肋骨で神経・血管が圧迫されることで発症します。肩から腕のチクチクした痛みが特徴的です。動脈が圧迫され、腕が青白くなることもあります。
肩こりの原因が恐ろしい病気の場合も…
「肩こりの原因」としての頻度は低いものの、以下のような病気の症状の1つとして、肩こりが現れる、あるいは肩こりのように感じられることがあります。
筋肉疲労を原因とする一般的な肩こりは、多くの方が経験されています。
いつもと違うと感じた時には、早めに医療機関を受診してください。
脊柱管狭窄症
肩こり症状を伴う重大な病気としてまず挙げられるのが脊柱管狭窄症です。
肩こりに加えて、手足のしびれ・力が入りづらいといった症状が見られます。
シャツのボタンをうまく留められない・外せない、何でもないはずの階段を下りるのがこわいといった時には、特に注意が必要です。腰痛、排尿障害・排便障害を伴うこともあります。
化膿性脊髄炎
肩こりに加え、腰・背中の痛み、発熱、手足のしびれなどの症状が見られます。
腰椎や胸椎への細菌感染を主な原因とします。
虫歯、尿路感染から化膿性脊髄炎を発症することもあります。
狭心症
主に動脈硬化を原因として、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなる病気です。
胸やみぞおちの痛み、息苦しさ、動悸などに加えて、肩(左肩)の痛み、肩こりといった症状を伴うことがあります。
動脈硬化は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病や生活習慣の乱れによって進行します。
心筋梗塞
狭心症と同様、主に動脈硬化を原因として発症します。
冠動脈が詰まることで、その先の心筋が壊死し、命にかかわる事態となります。
胸、みぞおち、あるいは肩や背中などに激しい痛みが現れ、動悸、息苦しさ、冷や汗などの症状を伴います。
一刻も早く、救急外来を受診する必要があります。
高血圧症
塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習慣の乱れを主な原因として発症します。
一貫して症状の乏しい病気ですが、肩こり、めまい、頭痛などの症状に異変を感じ、発見につながることがあります。
症状を感じた時に受診することも大切ですが、毎年の健康診断で早期発見が可能です。
胸膜炎
ウイルス感染などに合併することの多いのが、肺の外側に炎症が生じる胸膜炎です。
水が溜まり、肺を圧迫するために、胸の痛みや肩こり、息苦しさ、動悸、咳などの症状を伴います。
高齢者、生活習慣の乱れている人は特に注意が必要です。
肺がん
肺がんでは、肩から胸にかけての痛み、咳、血痰、発熱、動悸、息苦しさなどの症状が見られます。
40歳以上の男性、喫煙習慣のある方、肺がんの家族歴がある方は、そうでない方より発症のリスクが高くなります。
肩こりを一瞬で治す方法はある?肩こりの治療方法
肩こりは、さまざまな原因が重なって発症します。
そのため、何らかの手技、あるいはお薬を使ってすぐに治すということはできません。
一般的な肩こり治療では、以下のようなことが行われます。
運動療法
首や肩や背中のストレッチ、筋力トレーニングは、筋肉の緊張を解き、血液やリンパ液の流れを良くするため、肩こりの改善に有効です。
お風呂で身体をよく温めるという方法も、血流・リンパ液の流れの改善が期待できます。
薬物療法
症状が強く日常生活が辛い、ストレッチ・筋力トレーニングなどの運動もできないといった場合には、消炎鎮痛剤の内服や外用(湿布・塗布薬)が有効です。
不足すると筋肉の疲労の原因となるビタミンB1を薬で補給するということもあります。