肩が上がらない原因・病気は?
肩が上がらない・上がりにくい症状に気づいた時、安静にしたり、マッサージをしたり、湿布を張ったりとご自身で対策する方は少なくありません。
ただ、以下のような病気・ケガが原因となっており、整形外科での治療が必要なこともあります。数日以上症状が続く場合には、受診されることをおすすめします。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
主に加齢を原因として肩関節が動きづらくなり、痛みを伴う病気です。腱板の炎症が関節包という組織に波及することで発症します。筋肉の疲労を原因とする肩こりとは異なり、炎症が痛みの原因となっています。
肩関節不安定症
過去の脱臼などにより関節唇や靭帯が傷つき、その後も脱臼・亜脱臼を繰り返してしまう状態です。着替え、寝返りの際などに「肩が外れそうな」感じがし、場合によっては実際に脱臼・亜脱臼してしまいます。
肩腱板断裂
肩関節への急激が負荷、外傷、長年の酷使などを原因として、肩関節の腱板が断裂した状態です。肩をスムーズに動かせなくなり、鈍い痛み、肩を上げられないといった症状に見舞われます。
肩石灰性腱炎
炭酸アパタイトという石灰が腱板に沈着し、炎症が起こる病気です。突然の激しい肩の痛みがあり、肩が上げられなくなります。悪化すると、安静時にも痛みがあります。はっきりとした原因は分かっていません。
変形性肩関節症
加齢、スポーツ・仕事などによる肩の酷使を原因として肩関節の軟骨が擦り減り、骨同士がぶつかるために痛みが出ます。関節リウマチや上腕骨頭壊死に合併することもあります。可動域が減少し、肩を上げることが難しくなります。首や腕などに痛みが拡大するケースも少なくありません。
肩関節脱臼
スポーツでの衝突、不意に強く腕を引っ張られるなどして脱臼するケースが目立ちます。脱臼時には激しい痛みがあり、腕を動かすことは困難です。
肩が上がらない時の治し方
まずは保存療法を行い、必要に応じて手術や再生療法を行うというのが基本的な流れです。
保存療法
薬物療法
痛み止め、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイドなどを用いた薬物療法を行います。
変形性肩関節症に対しては、ヒアルロン酸・ステロイドの関節内注射も有効です。
運動療法
痛みなどの症状が落ち着いてからは、リハビリとしてストレッチ、筋力トレーニングなどを行います。QOLの回復、再発防止の意味で重要です。
手術療法
人工肩関節置換術、関節鏡手術などがあります。疾患に応じて術式が選択されます。
再生医療
保存療法で良い効果が得られないけれど手術を受けられない・受けたくないという場合には、当院でも行っている再生療法が有力な選択肢となります。
PRP療法をはじめとし、当院ではすべての再生療法を入院なしの日帰りで受けられます。
肩が上がらないとき何科を受診する?
急性の場合も慢性の場合も、まずは整形外科が第一選択になります。
症状が数日以上続く場合には、お早めに整形外科を受診されることをおすすめします。