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膝が腫れる

膝の腫れに伴う症状・特徴

症状・特徴 考えられる原因
患部に熱をもっている 変形性膝関節症、打撲、化膿性関節炎、膝関節液貯留・膝滑液包炎
腫れてブヨブヨしている
水が溜まる
打撲、捻挫、半月板損傷、靭帯損傷
変形性関節炎、リウマチ性関節炎、痛風、偽痛風、
細菌感染、膝への負荷
内出血・あざがある 打撲、骨折
倦怠感・発熱がある 関節リウマチ、偽痛風
小学生~中学生が発症 オスグッド

膝が腫れる原因は病気?

膝が腫れる原因は病気?

膝の腫れを伴う病気は多岐にわたります。痛みを伴う場合、日常生活に支障が出ている場合など、特にお早めにご相談ください。

変形性膝関節症

主に加齢を原因として、膝の軟骨が擦り減り、大腿骨・脛骨がぶつかることで痛み、可動域の減少といった症状が現れる病気です。また、軟骨の欠片が滑膜を刺激することで炎症、そして腫れを引き起こします。悪化すると、歩行が困難になるほど症状が強くなります。

関節リウマチ

本来であれば身体を守ってくれる免疫細胞が、誤って関節を攻撃し、炎症・変形を引き起こす病気です。膝の痛み、腫れ、熱感などの症状が見られます。ある日突然発症するケースと、徐々に症状が強くなっていくケースがあります。膝以外の、全身の関節で起こり得る病気です。

痛風

高尿酸血症の方に起こる、関節の激しい痛み・腫れを伴う発作です。痛風発作は足の指の関節で好発しますが、膝関節で起こることも少なくありません。発作後、症状は徐々に治まりますが、放置していると発作の頻度が高くなり、痛みも強くなります。

偽痛風

関節の急激な炎症によって、膝の激しい痛み、腫れといった、痛風に似た症状が引き起こされます。はっきりとした原因は解明されていませんが、加齢、外傷、代謝性疾患などによる影響が指摘されています。
発症率は65~75歳で10~15%、80歳以上で30~50%と、ご高齢の方に起こりやすい病気です。

半月板・靭帯の損傷

半月板損傷は、膝関節の軟骨状の組織である半月板が損傷した状態です。スポーツや交通事故などによって膝をひねった場合に発症します。膝の痛みや腫れ、可動域の減少、膝が抜ける・引っかかるといった症状が見られます。
靭帯損傷は、膝関節の靭帯が損傷した状態です。スポーツ中の膝への大きな負荷が原因としてまず挙げられます。膝の痛みや腫れが出ますが、その後徐々に軽減します。ただ、損傷した靭帯が治っていっているわけではありません。放置していると、膝の不安定感などの症状が現れ、変形性膝関節症へと進行することもあります。

膝関節液貯留・膝滑液包炎(水が溜まる)

膝関節液貯留または膝滑液包炎とは、いわゆる膝に水が溜まっている状態です。
変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチなどを原因として、滑膜で炎症が起こることで水(関節液)が溜まります。膝の腫れ、重い感じなどが見られます。

打撲

打撲とは、強く打つことを指します。その直後から、痛み、腫れといった症状が現れることがあります。患部は内出血によってまず赤くなり、その後青色・紫色へと変化します。打撲だと思っていたら骨折をしていたというケースも少なくありません。特に、膝全体が大きく腫れている場合は注意が必要です。

オスグッド

10~15歳くらいの成長期の子どもによく見られます。特に、ジャンプや(ボールの)キックが多い部活に入った中学生に好発します。膝の痛みや腫れ、熱感を伴います。腫れは、膝のお皿のすぐ下にある脛骨結節に現れます。

リンパの詰まり

膝裏のリンパが詰まり、その膝裏が腫れるということがあります。主な原因として、冷え、ストレス、運動不足が挙げられます。しびれ、違和感などを伴うこともあります。老廃物の排出が滞り、免疫力が低下する原因にもなります。

化膿性関節炎

膝の外傷によってその傷から黄色ブドウ球菌などが侵入し、膝の腫れを伴う化膿性関節炎を起こすことがあります。その他、膝の手術後に感染する、虫歯菌が血管を通して膝に感染するといったケースも見られます。

膝が腫れたときの対処法

膝が腫れたときの対処法

膝が腫れた時には、痛みの有無に関係なく、整形外科など医療機関を受診してください。
以下で、それぞれの疾患に応じた治療法、受診するまでの時間・受診後にご自宅などでできる対処法をご紹介します。
なお当院では、MRI検査による即日診断を行っております。正確・迅速な診断の上、速やかに治療へと移行します。

関節炎の可能性がある場合

ご自宅での対処法としては、お風呂などで温めるのがおすすめです。痛みのない範囲での運動は構いませんが、受診までは無理をしないのが無難です。
治療では、痛み止め、ヒアルロン酸・ステロイド注射などの保存療法から始まり、十分な効果が得られない場合には、再生医療や手術を検討します。当院で力を入れる再生医療は、特に何らかの理由で手術が受けられない・受けたくないという方にとって非常にメリットの大きな選択肢となります。

水が溜まっている場合

水が溜まるのは炎症が原因であるため、冷やすことが有効になることもありますが、原因が変形性膝関節症の場合には逆効果になるおそれもあります。受診までは安静に努め、医師の診断・指示を仰いでからご自身での対処を行うことをおすすめします。
医療機関では、水が溜まっている原因(変形性膝関節症・半月板損傷・関節リウマチなど)を特定した上で、まずは保存療法、必要に応じて再生医療や手術を行います。

痛風の場合

まず痛風発作治療薬で痛み・腫れを抑え、その後に痛風の原因である高尿酸血症の治療を行います。高尿酸血症に対しては、食事療法・運動療法・薬物療法が行われます。
痛風発作に対する応急処置としては、膝など痛む関節を温めるのが有効です。何もしなくても次第に痛みは治まりますが、もちろん治ったわけではありません。必ず、内科や整形外科を受診してください。

けがの場合

打撲によって腫れた場合には、RICE(ライス)という有名な応急処置が有効です。安静にし(Rest)、冷やし(Icing)、固定し(Compression)、高く上げる(Elevation)ことで、腫れを抑制します。
医療機関ではRICEに加え、痛み止めやサポーターの使用、痛みが引いてからはリハビリなどが行われます。打撲だと思っていたら骨折だったというケースもありますので、ご自身でRICEを行った場合も、念のため受診されることをおすすめします。

リンパの詰まりの場合

血液・リンパの流れを改善するため、お風呂などで温めること、優しくマッサージを行うことが有効です。バランスの良い食事、適度な運動などにより、多くの場合は改善します。
これらを試しても腫れが治まらないという場合には、他の疾患が疑われますので、整形外科や内科を受診しましょう。

化膿が考えられる場合

冷やすことで炎症の軽減が期待できます。ただ、化膿性関節炎の場合は早期に治療を行わないと、関節の変形や機能障害が残る可能性があります。ご自身で対処しようとするのではなく、できるだけ早く受診するようにしてください。
抗菌薬の投与、ドレナージ、手術などの早急な治療が必要になります。