膝に違和感…このような症状はありませんか?
「痛い」というほどではないけれど、膝に違和感があるという場合には、変形性膝関節症や半月板損傷、膝靭帯損傷、関節リウマチ、椎間板ヘルニア、あるいはタナ障害や亜脱臼などが疑われます。
いずれも、ご高齢の方や激しいスポーツをしている方以外にも、発症し得る病気・ケガです。
曲げ伸ばししにくい
立ち座り、歩行、正座、スポーツなどの時に曲げ伸ばしがしづらいという違和感です。急に膝がガチっと固まり、激痛とともに動かなくなることもあります(ロッキング現象)。
考えられる病気
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 膝靭帯損傷
- タナ障害
- 膝蓋骨亜脱臼
- 関節リウマチ
引っかかる感じがする
膝の曲げ伸ばしをする時に、関節の中で何かが引っかかる感じがするという違和感です。
考えられる病気
- 半月板損傷
- 膝蓋骨亜脱臼
膝がずれる感じがする
立っている時、歩いている時、走っている時などに膝がずれる感じがする違和感です。グラグラしていると感じる人もいます。
考えられる病気
- 変形性膝関節症
- 膝靭帯損傷
- 膝蓋骨亜脱臼
音が鳴る
ギシギシ、コキコキ、ポキポキ、ガキッ、ゴキッといった異音が聞こえる違和感です。
考えられる病気
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- タナ障害
膝がカクンとなる
立っている時、歩いている時、走っている時、方向転換をした時などに膝が抜けてしまう、抜けそうになるという違和感です。
考えられる病気
- 半月板損傷
- 膝靭帯損傷
- 膝蓋骨亜脱臼
膝が痺れる
ジンジンと膝が痺れる違和感です。腕や脚などに広く痺れを感じることもあります。
考えられる病気
- 椎間板ヘルニア
空気が入ったような感じがする
膝関節に空気が入っているような感じがする違和感です。
考えられる病気
- 炎症
- 軟骨の擦り減り
- 半月板・靭帯損傷
膝の違和感があるとき考えられる病気
タナ障害
コキコキ、ポキポキといった膝からの異音、膝の曲げ伸ばしの際の引っかかり感などの症状を伴います。
膝蓋骨亜脱臼
膝蓋骨(膝の皿)が少しズレている状態です。ホルモンバランスの変化が激しい10代の女性によく見られます。脱臼した場合には、強い痛みを伴います。
関節リウマチ
免疫細胞が関節を攻撃し、全身の関節で炎症、痛み、腫れを起こします。中高年の方に多い病気です。症状は、左右対称に現れます。
椎間板ヘルニア
椎間板の中身が飛び出て、神経を圧迫する病気です。坐骨神経が圧迫されると、下肢の広範囲にムズムズとした違和感、痛みが現れます。
膝に違和感があるとき歩いたり動いたりしても大丈夫?
膝に違和感がある時、原因が筋力低下にある場合には、ストレッチや膝・太ももの筋力トレーニングによって、症状の改善が期待できます。この場合、膝への負担とのバランスが重要となり、誤った方法だと逆効果になるおそれがありますが、ウォーキング、座った状態や水中(お風呂・プール等)での膝の曲げ伸ばし程度であれば、基本的に問題ありません。
ただ、やはり正しい診断のもと、ストレッチ・筋力トレーニングを含めた適切な治療を受けるためには、整形外科を受診することが大切になります。
膝に違和感があるとき有効なストレッチ・マッサージ
安静時はもちろん、動かした時にも「痛みがない」場合に限り、症状に合わせた以下のようなストレッチが有効です。
曲げにくい・カクンとなる場合(太ももの前面のストレッチ)
- 床に座り、脚を前方に伸ばします。
- 片脚の膝を曲げ切り、片脚だけ正座をしたような姿勢をとります。
- 上半身をやや後方に傾け、両手を真っすぐ下ろして床につけます。
- 背筋を伸ばし、曲げた側の太ももの前面の伸びを意識してください。無理がないようでしたら、上半身をさらに後方に倒す・完全に倒すと、より高いストレッチ効果が得られます。
- 左右を入れ替え、反対側の脚の太ももの前面も伸ばします。
ずれる感じがする場合(太ももの裏側のストレッチ)
- 床に座り、脚を前方に伸ばします。
- 片脚を曲げ、片脚だけあぐらをかくような姿勢をとります。
- 背筋を伸ばしたまま、上半身をゆっくりと前方へと倒していきます。この時、伸ばした側の脚の太ももの裏側が伸びていることを意識してください。
- 左右を入れ替え、反対側の脚の太ももの裏側も伸ばします。
しびれる場合(膝の上の筋肉のマッサージ)
- 床に座り、脚を前方に伸ばします。
- 右手のひらを使い、右脚の膝の上の大きな筋肉(大腿四頭筋)全体をマッサージしていきます。左脚は、曲がっても構いません。
- 痛みがない場合は、両手を重ね、体重を乗せてマッサージをしてください。
- 左右を入れ替え、左脚の大腿四頭筋もマッサージします。