ACRS療法(自己血サイトカインリッチ血清)とは
ACRSとは、患者さんの血液から、白血球・血小板に含まれる「成長因子」と、炎症誘発性サイトカインを抑える「抗炎症性サイトカイン」を抽出し、これらの成分を高濃度に含んだ上澄み液「自己血サイトカインリッチ血清」を注射する治療です。
自己血サイトカインリッチ血清の注入により、炎症・痛みを軽減し、変形性膝関節症などの進行を抑制することが可能です。
PRP療法との違い
PRP療法とACRS療法は、患者さんから採取した血液から有効成分を抽出し、これを患部へと注射するという点で共通しています。
最大の違いとして挙げられるのは、ACRS療法が、PRP療法の「副作用的に炎症性サイトカインを放出させてしまう」「体調によって効果が左右されやすい」という弱点を克服した治療である点です。
ACRS療法では、採取した血液を特殊なシリンジに入れ、37°下で3時間保管し、サイトカインや成長因子の放出を促すことで、有効成分の濃度を高めます。またこの時、炎症性サイトカインが増加しないことも確認されています。この工程があることで、サイトカインや有効成分の濃度が高い抽出物を利用できるのです。
さらにACRS療法では、抗炎症性サイトカイン、FGF/EGF/PDGF/TGF-β/VDGFという5種の成長因子を増加させます。中でもEGFは15倍、FGFは5倍と大きく増加します。
ACRS療法は、炎症性サイトカインの放出を抑制しながら、安定的な効果が期待できる再生医療と言えます。
その他、治療の対象、メカニズムについての違いは、以下の表をご参照ください。
PRP療法 | ACRS療法 | |
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治療の対象 |
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メカニズム |
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ACRS療法の効果
急性・慢性の痛みを改善
炎症性サイトカインを抑制することで、急性・慢性の痛みの改善が期待できます。
軟骨保護
変形性膝関節症の進行、軟骨の擦り減りなどを抑制します。
エイジングケア
弱った皮膚細胞の再生、コラーゲンの産生などにより、ハリ・艶・毛穴の開き・シワ・くすみなどを改善します。
薄毛治療
髪の毛を作る「毛包幹細胞」の萎縮・毛幹の縮小の原因となる炎症性サイトカイン「IL-1β」を抑制することから、毛包細胞の活性化、薄毛の改善が期待できます。
このような方におすすめです
- 慢性的な膝の痛みがあり、日常生活に支障が出ている方
- 一度の治療で長期的な効果を得たい方
- 短期間での効果を実感したい方
- 入院や手術ができない・回避したい方
- PRP療法で期待した効果が得られなかった方
治療の流れ
1ご予約
まずはWEBまたはお電話でのご予約をお願いします。
当院は完全予約制となっております。
2カウンセリング・診察
ゲストのお悩み・症状、既往歴・治療歴などをお伺いします。また医師からも、ACRS療法について、詳しくご説明いたします。治療内容・費用のことでご不明点・ご不安点がございましたら、何でもお尋ねください。
また変形性膝関節症などの診断が必要な場合には、近隣施設でMRI検査を受けられます。
期待できる効果・デメリットなどを医師から聞き、判断に迷う場合には、すぐに採血に移る必要はありません。一度内容をお持ち帰りになり、ゆっくりとお考えください。
3採血
ご理解・ご同意が得られましたら、腕などから少量、採血をいたします。
4ACRS抽出
お預かりした血液は、院内で専用の機器にかけ、ACRS(自己血サイトカインリッチ血清)を抽出します。
この抽出には、約3時間かかります。院外に出られても構いませんが、加工開始後3時間以上が経過すると効果が薄れる・炎症性サイトカインが増えてしまう可能性があるため、お早めにお戻りください。
5施術
準備が整いましたら、患部へとACRSを注入します。
施術には20~30分程度かかります。
注意事項
- 妊娠中の方、授乳中の方はACRS療法を受けていただくことができません。
- 治療後数日間、痛み・腫れを伴うことがあります。ただし、ほとんどは鎮痛剤の使用により軽快します。
- 治療後、シャワーは当日から、入浴は翌日から再開可能です。シャワー・入浴の際には、患部を強く擦らないようにしてください。
- 治療後、1週間は激しい運動をお控えください。また1週間が経過してからも、痛み・腫れながいことを確認してから運動を再開してください。
- 治療後3カ月は、患部への強い負荷はできるだけお控えください。ただし、正しい方法で行うリハビリ、ストレッチは、治療の効果を高める・長持ちさせるためには有効です。当院で指導いたしますので、継続的に行っていきましょう。
費用
片膝 | ¥330,000 |
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両膝 | ¥550,000 |
※税込価格です